コストはマネージャー?開発者?
先日、飲みながら話を聞いていたときにこんな言葉を聞いた。 「クリエイティブなことの方が面白いし、そういうことしたいよなぁ」
その方はマネージャーであるため、管理職というやつです。 そうは言いつつも、現場にも関わっているようなので、管理だけやっている方とはちょっと違う印象。
そんな話をしてたら、さらに一言。 「管理職なんてコストでしかないからなぁ」
これを聞いたときに、好感を持ちつつ、2つのことが頭をよぎった。
- どこかで聞いた話とは全然違う!
- 自分と思想が似ているのかも?
とある会社では、開発を "コストセンター" という言い方もしていた。 開発者へは給与を支払うため、原価であり、経費でもある。そういう意味ではコストセンターかも。 だけど、個人的にはこの言い方は好きではない。深い理由があるわけではなく "コスト" という響きが "損失" を意味する使われ方が多いと感じているから。 専門的な方々が "コストセンター" という言葉を使うことは気にならないが、IT業界で、しかも開発者がいる前での表現として適切か?というと、そうとは思わない。聞いている人の "コスト" の捉え方に差があるにせよ、悪い印象は与えても、いい印象は与えないと思っているから。
ちょっと脱線して、言い方の面を強調したが、言いたいことはこれではない。 "コストはマネージャーなのか?エンジニアなのか?" ということ。 冒頭の方の考え方としては、マネージャーはコストであるという考え。
マネージャーは管理する立場であり、生産的なことを行っていないから。ということだろう。 もう一方の考え方は、開発者がコストであるという考え。
マネージャーは開発者に指示をすることによって利益を生み出す。その過程でのコストが開発者。ということだろう。
どちらの考えがいいとか悪いとか言うつもりは無い。実際に、開発者に支払う以上、コストではあると思う。しかし、マネージャーが生産的か?というと直接的には生産してないという意味で利益に直結しているとも言い難いから。 コストと比較して使われる言葉に "プロフィット(利益)" があるが、これは協力して手に入れるものだと思っている。マネージャーだけでは開発出来ないし、多数の開発者を統括する上でもマネージャーは必要だと思うから。 そういう意味ではどちらの考え方も優劣を付けるものではないと思う。
ここからが重要。 個人的には "マネージャーはコスト" という考え方に共感が持てる。なぜかというと "どちらもマネージャーから発せられた言葉" だから。 マネージャー自身が "自分がコストでもあり、開発者には生産してもらわないと" と思っていたら、如何に効率よく生産してもらおうか?と言う面で一緒に努力できそうな気がする。 マネージャー自身が "自分は利益を生み出し、そのためのコストが開発者" だと思っていたら、以下に使い倒すかしか考え無さそうな気がする。 少なくとも、自分が一緒に仕事をする立場なら、前者のマネージャーがいい。
冒頭の話を聞いたときに好感が持てた理由でした。