プロフィットセンターとコストセンター

Ken published on
11 min, 2002 words

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昨日、今まで疑問に思っていたことが自分の中で解決したので忘れないうちに書いておこうかな。

プロフィットセンターとコストセンター

今回はプロフィットセンターとコストセンターについて。 このふたつについて、語ったり説明したりするほどの知識は持ち合わせていないけど、経験談や思ったことを書く。

この単語、初めて聞いたのは以前いた会社だと思う。以前の会社は大きく分けると営業部と開発部に分かれていた。年度ごとに組織は変わったし、このふたつの部署だけじゃないんだけど、まぁ、基本はこんな感じ。 この営業部をプロフィットセンターと呼ぶことがあり、開発部をコストセンターと呼ぶことがあった。 なぜ、そう呼ばれることがあったのか?というと、

  • 営業することによって利益(プロフィット)を得るから。
  • 開発するには費用(コスト)がかかるから。

と理由から。 この説明は誰かに明確に聞いたわけじゃないけど、会話のニュアンスからはこんな感じだし、この感覚で話にすれ違いがあったりしたことはないので、ずれているわけではないと思ってる。

プロフィットセンターとコストセンターという呼び方からして、明らかにプロフィットセンターの方が優位に立ってる感がある。 会社は利益を出さなければいけない。その対極にあるのがコスト。 感覚的なものだけど "コスト" なんて言われたらいい気持ちはしないもんですよ。仮に英語の "cost" のニュアンスが違ったとしても、日本でカタカナで "コスト" と表記したらいい印象はない。

とある会社での出来事

以前の会社は気遣いが足りない社風のようなものがあり、ビジネス的な考え方がかっこいいと思っているのか勘違いしてるのかわからないけど、その風習に染まっていく人もいた。 心無い発言のためにムカッとすることもあり、そういう感覚がかわいそうだなとおもうこともあり、複雑ではあった。

ほんとにプロフィット?ほんとにコスト?

本当にコストなのであれば、コストセンターなんてなくしてしまえばいい!コストなんだからいらないでしょ? でも、現実はコストセンターで開発を行っている以上、そこをなくしたらお客さんに納品するものがなくなってしまうわけで、そうなったら会社のあり方が変わってくると思う。 同様に、プロフィットセンターというくらいなら、何もせずにそこにいて利益が出るのか?というとそんなことはない。それどころか、営業活動がうまくいかなかったら売上は経たず、給与だけの支払いが発生してコストになるはず。

プロフィットセンターがコストにしかならないこともあるし、コストセンターが利益を生み出す元になることもある。なんか違和感感じない?とずっと思ってた。

昨日聞いた話

昨日、たまたま、プロフィットセンターとコストセンターの話が出たときに聞いた内容は、
  • 会社自体がコストセンター
  • 他社(お客さん)がプロフィットセンター

ということ。 これを聞いたときはすっごくしっくり来た。 会社としては社員に給与を払うわけだから誰もがコストである。他社はお金を支払ってくれるので利益につながる。 もちろん、社員が働くから利益につながるわけだけど、ただ単にそこにいたらコストでしかない。他社はただ単にそこにいるだけでは利益にはならないけど、少なくともコストにはならない。ここが重要なところだと思ってる。

どこを目指すべきか

プロフィットセンターとコストセンターと呼ばれることがある部署があったときから、なんとなくプロフィットセンター側に行きたい気持ちはあった。 理由はこのふたつ。
  • 利益を生み出す存在でいたい
  • コストと呼ばれたくない

なんと単純な理由でしょう(笑) こんなことを思ってはいたものの、プロフィットセンターでもコストになるし、コストセンターでも利益は生み出せる。もしかしたらこれが正しいのかもしれないけど、自分としてはそれが正しいものだという確証はなく、半信半疑状態。

プロフィットセンターとコストセンターが何であるかよくわかってない状態なのに、今後は何を目指すべきか色々と考えていたからなかなか解決しなかった。 それでも、色々と考え、解を出すために自分に身近だと思われる問を考えてみた。その問がこれ。 "人気のあるサービスがあるとする。これを実現するにはどうすべきか?" 自分に身近だと思われる問なので、答えは簡単。 答えは "自分で作る" ということ。

自分で営業やスケジュールを決めたとしても、それは枠組みであり目的とするサービスではない。プロフィットセンターと呼ばれていた場所では利益が生まれないことが明確。 自分で作るということはコストセンターと呼ばれていた開発。コストなのに、サービスが出来上がったら利益を生み出す可能性がある。

ここまで明確になったら目指すことは簡単で、少なくとも営業やPMのような立場ではない。エンジニアとして活動すべき。 ただ、エンジニアと言ってもPG(プログラマ)と呼ばれている職種は設計書を元にコードを書くだけのことが多いし、SEと呼ばれている職種は設計書を書くことが多い。 単にコードを書くだけなんてつまらないので、これは無し。SEの書く設計書も会社によって異なったりするし、世の中の設計書と自分が思っている設計書に乖離があるのでこれも合わない。 否定する人は多々いると思うが "SEはシステムを知ってる雑用係" という認識。正確には "雑用という認識を持つようなものを見てきた" かな。見てきたものが違うので、否定する人がいてもそれは当たり前。 自分では色々なところで、自分の意見を持って動きたいと思っているので、アーキテクトを選択した。

アーキテクトというにはまだまだ未熟だということはよくわかってるけど、少なくとも今はそれを生業としているわけだし、名乗ってもいいのかな?と思ってる(というほど、深くは考えてないけど^^;)。

最後にひとつ、最近懸念していること。 アーキテクトという言葉の定義もぶれてきているというか、PGやSEという単語と同じような曖昧性や違う意味になりつつあるような気がしている。