整合性と疑いの眼差し

Ken published on
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今月に入ってからは先月くらいからWordとExcelと仲良し状態。 Wordは評価報告書やヒアリング内容をまとめるのに使っている。 Excelはデータの分析に使っている。

Wordで書いた報告書は結構活用されているらしく、お偉いさん(?)の出席する手持ちの資料として使われ、報告書をもとに方針が決まったりしているようだし、別の調査報告書はそのまま他社に参考資料として送られたようだし、読まれて終わりになっていないところが嬉しい。

整合性

資料を作るときに気にしていることは色々とあるけど、その内のひとつが整合性。 例えば、ヒアリングの報告書を提出したときは次のふたつをセットとした。
  • ヒアリング議事録
  • ヒアリング考察

前者はヒアリング時の内容だけを淡々と書いたもので、後者はヒアリング内容をもとに自分の意見や考えを加えたもの。 今回はヒアリング内容を共有しようとしていた。単にヒアリング内容を共有するだけなら議事録だけでもいいのかもしれないが、相手の回答に対して疑問が出てきた経緯や、今後の進め方まで伝えようとすると議事録だけでは足りないと思い、考察も書いた。このふたつについてはセットでひとつのことを伝える資料だと思っている。

単位を "資料" として捉えている場合、どちらかだけで済ませてしまいがち。この場合、目的(ヒアリング内容を共有すること)が明確なので、単位は "伝えるための資料" であり、ここでは資料の数や種類は必要に応じて変化すると考えている。 さらに、資料が複数ある場合は整合性が保たれていることが重要。整合性が保たれてない時点で、どれを信じていいのかわからなくなる。

聞けば出てくる補足

他に気にしていることは、資料を読んだだけである程度は把握することが出来るようになっているか?ということ。 よくあるケースとしてこんな会話。 A:「○○ってどうなってるの?」 B:「これは△△で…(と説明が続く)」※1 A:「それってどこに書いてあるの?」 B:「別の資料に書いてあります(と別の資料を開きだす)」※2 A:「これとこれは項目名が違うけど、同じもの違うもの?」 B:「同じです」※3 A:「同じなのにこっちは項目が抜けてるけどなぜ?」 B:「該当するものがなかったから書いてません」※4

※1: 読む人が気になるところは気にして欲しい。 ※2: 紙の資料から別のファイルを開くって…資料として成り立ってない。 ※3: 似てるからなんとなく…って気持ちもわからなくはないが、読み手に推測まで強いるのね。 ※4: ひとつ欠けただけで同じかどうか判断に悩む(=資料だけで完結してない)。

こういうのは誰でも通る道だろうし、いきなり身につくものでもないけど、意識することは大切だよね〜。 整合性を保つために参照先を増やすとか、項目を増やすとか、その場限りの対応はナンセンス。メンテナンス性が落ちるし、本人の成長が見込めない。

曖昧さ

資料を読んでて曖昧なところはなるべくなくす。出来れば全部なくす。 例えば "図1" という表現は "図1 ○○と△△の相関図" と表記する。直前直後なら "上図", "下図" の方がわかりやすいかもしれない。 "図1" って言われて覚えていればいいけど "○○と△△の相関図" と書かれていた方がイメージしやすいでしょ?って思うんだけど、こういうことって説明してもなかなか理解されないから、軽く触れるくらいであまり深く説明しない。「なんで図1でわからないんですか?さっき見たばかりですよ?」って言う局所的な思想である間は特に。図が20もあったらどうする?ってことに気付き "統一的に書きたい" という気持ちが出てくれば自然と解決されるはずなんだけど、自然と解決されることはまずないなぁ。

曖昧さとソースコード生成

ちょっと脱線。 読み手に推測まで強いるような資料を書く人が結構いるにもかかわらず、設計書からのソースコード生成ツールを利用しようと考える人達がよくわからない…というか、よくわかる…というか…。 設計書からソースコードを生成するということは、設計書の時点で整合性が取れてないとソースコードにならないでしょ?という面でよくわからないんだけど、「適当に書けばソースコードになってくれるんでしょ?」という楽をしたいという思考があるんだと気付けばよくわかる(笑)

第三者の視点

自分の書いた文章や資料は把握しているから読み返してもわかりづらさは感じづらいが、他人の書いた資料として読むと結構修正箇所が見つかる。 これだけでも結構読みやすくなるから、人の書いた資料だと思い、さらに疑いを持って読むくらいがちょうどいい。元々、自分の書いた資料だから難癖つけようが、誰も不快にはならないわけだし(笑)