亀田製菓の雇用と流されること

Ken published on
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こんな記事を見つけた。

亀田製菓の雇用に関するお知らせ

■ 東北地方太平洋沖地震の被災者への雇用支援に関するお知らせ | 亀田製菓株式会社 http://www.kamedaseika.co.jp/info/2011/03/info0331.html
震災の影響によって就労の場を失った方を中心とした雇用支援を行うことを本日決定いたしました…(中略)…今回の内容は、震災により、内定取り消しを受けた新卒者(2011年春大学院修了者、大学卒業者、高校卒業者)や卒業後3年以内の方などを中心に、就業が困難になった方を10名程度、正社員として雇用するものです。
これを読んで思ったのは、会社にも被災者(未来の社員かも?)にも、どちらも嬉しいんじゃないか?ということ。

社員として採用されれば、大変な目に逢い、今後どうしようか悩んでいたところに、それとなく方向を示してくれて、なんとなく、不安を消してくれる。

採用者へは住居ならびに入社までの一時支度金などの支援を検討しております。
就労だけでなく、生活の面でも支援をしてもらえるらしい。

雇用の記事を見て思ったこと

安易な考えかもしれないけど、こういう状況で入社したら、会社に恩を感じても不思議ではないし、それなりにしっかりと仕事をしてくれそうな気がする。 誰もが一度は食べたことあるお菓子を作ってる会社だから、今までの知名度にさらに好印象が加わることも予想される。

上記のこと、どれも都合よく解釈してるのは承知。 現実は「やっぱりお菓子作りは性に合わないよ」とか、「俺のやりたいことは機械いじりだ」とか、「今の会社を辞めたかったから好都合〜」とか、色々とあるかもしれない。

でも、悪いニュースじゃないよね、と思う。 会社としてもいい人材は欲しいだろうし、被災者としても働き口は欲しいし、面談でお互いに気に入ればそこで契約すればいいだけのこと。 結果的に誰も採用されなくても、誰も応募しなくても "機会" としてはいいものだと思う。

セブンイレブンとオリジン弁当

亀田製菓の記事を見て、セブンイレブンとオリジン弁当の話を思い出した。 どこかで読んで話なので、正確かどうかはわからないが、
オリジン弁当はセブンイレブンの近くに建てる
という話。 セブンイレブンはマーケティングに力を入れているから、セブンイレブンの立地付近に建てるだけでオリジン弁当はマーケティング費用を削減できるという理由。 セブンイレブンと客層が似てるとか、そういう前提条件はあるんだろうけど、虎の威を借る狐みたいな、他力本願みたいな、そういう戦略はありだと思っている。

亀田製菓の採用を穿った見方をする

亀田製菓の件も穿った見方をすれば "被災で困っている人なら真剣に働いてくれるだろう。さらに、企業イメージも上がるんじゃない?" みたいな話があっても不思議ではないと思う。 例えそうだとしても、それで困る人や迷惑をこうむる人がいないのであれば、戦略としていいのかもな…とは思う。

内定取り消しを受けた方であれば、少なくとも、他社では入社については認められた人材であるわけだし、採用する側としても気分的に安心感を持つかもしれない。 "セブンイレブンが建てたから" じゃないけど "他社が一度は採用判断したから" という理由もありなのかもね、ということ。 今回の件について言えば、内定取り消しを受けた人だけを対象とした雇用ではないので、要素としては薄いとは思うけど。

今回の件に限らず…なんだけど、自分で道を切り開くのもいいけど、目の前にある何かに乗るとか沿うとかもいいんじゃない?と思う。 単に流されるのはよくないけど「◯◯という思惑に一致しそうだから、それに流される!」と判断したのであれば、それは "意思決定" になるわけだし、周囲をよく観察していたから出来ることでもある。

流されたの?流されることにしたの?

「流されるのはよくない!」と言う人もいるし「道は自分で切り開くもの!」と力んでいる人もいるけど、全てには当てはまらないでしょ?と思う。 今までにも何回か "先はわからないけど、面白そうだからやってみよう(流されよう)" と思ったことはあるし、実際にやってる。就職の時も、転職の時も、ある意味流されてる。 もちろん、考えて上での判断で、自分の意思だから、それについては後悔してない。でも「視点によっては流されてるよね」と言われたら、それはその通り。自分の意志の有無という、大きな違いはあるけどね。

目の前に亀田製菓の採用という流れがある!! う〜ん…とよーく考えた上で、流されることにしたのはありでしょ。