何に重きを置く?
先日、とある地域限定冊子に同級生が載っているということを知った。 その冊子を読もうと、編集者への連絡先を調べたら地域版ごとのメールアドレスが公開されていたのでメールを送った。 「冊子を送っていただくことはできますか?」と。
郵送可能です
返信は「郵送可能です」ということだったが、もう一言書かれていた。
差し支えなければ、知ったきっかけや読もうと思った動機を教えて下さい
「一企業の編集者の方だし、こんな問い合わせも頻繁にあるわけじゃないから、安心してもらうためにも正直に書いておくかな」と思い、 「同級生が載っているので読みたくなったんです」ってことを書いて返信した。
この安心していただこうと思ったことが、こんなことに繋がるとは…。
「プライバシー保護のために連絡しました」
続いてのメールには「本日付けで送付します」という内容と、
プライバシー保護の為、同級生様ご連絡したことをご了承ください。
え???プライバシー保護のために連絡??? それって、誰のプライバシーをどのように保護しているの???
もう、意味不明で何回か読み返して、やっぱり意味がわからなくて返信した。
誰のプライバシーをどのように保護したの?
返信に記載した内容は次の通り。
- どういうプライバシーをどのような観点で保護するということ?
- 冊子は公開されているものであり、それについてのプライバシーとは何を意味するのか?
- 私は一読者であるが、その読者情報を教えるということは読者のプライバシーが守られていない。
- 編集者の立場で読者の情報を伝えることに違和感を覚える。
- 企業としての対応に疑問を感じる。
- 「会員制冊子で読者情報は共有してます」というなら話はわかるが、そういうこと?
公開している情報(冊子)に載っている人を気遣い、 読者の情報(非公開)については確認なく「連絡したことをご了承ください」と。
編集者の回答
- 過去に「知らない人から名指しで見たいと言われるのは心地いいことではない」と指摘された。
- 配布エリア外からの請求
- 同級生への連絡ではなく編集室への連絡
- 「ママの子育てに関する冊子」に対して、男性からの問い合わせ
- 上記理由から、念の為という意識が働いた
- 気分を害してしまってすみません
という回答。 それぞれについて思うことは次の通り。
- 知らない人からの名指し 「知らない人」じゃなくて、同級生なんだけど。 しかも、メールには「Facebookで友だちになっているから確認できます」って書いておいたのだが。 なぜそこまでメールに書いておいたかというと、懸念の通り「知らない人からの請求っていい気持ちしないと思う人もいるだろう」ということ。 これについて期待していた返信は、
「Facebookにて友人であることを確認しました。この件は編集室と読者との間でのお話であり、同級生様には伝える予定はございません」
という感じ。
企業だし、個人情報に厳しそうな出版関係だし、この辺はしっかりしているだろうと思っていたんだけど、全然そんなことないようだ。
それと、前回指摘してきた人には、「掲載されるということは公開されるということで…」という説明が足りていなかったのではないだろうか?
「説明が足りていたのだろうか?」ということを考えることなく、「こういう指摘されてしまったので…」というのは受け身でしかない。
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配布エリア外からの請求 これはそのまま。 特にいうことなく事実。
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同級生ではなく編集室への連絡 冊子を作って配布しているし、冊子がいつまでどこで配布しているか把握していないのだから、 在庫があるであろう編集室に連絡するでしょう。 同級生に連絡したところで、冊子を持ってきてもらわなければならないし、 送ってもらわなければならないし、もしかしたら「編集室に問い合わせてみるね」って話になるかもしれないし。
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ママの子育てに冊子に男性からの問い合わせ 割合としては多くないのかもしれないけど、 「あの冊子読みたいから問い合わせておいてね〜」って話もあるだろうし、 「気になる内容あったから読んでみようと思った」ってこともあるだろう。
でも…同級生と名乗っているのだから関係ないでしょう。 単純に同級生の活躍は嬉しいことでしょ。
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念の為という意識が働いた 念のためという意識は大切だとしても、頭の働かせる方向を間違っている。
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気分を害してしまってすみません 気分を害したというか、「えっ!?企業がその対応!?エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?」という驚き。
何に重きを置く?
気になることがいくつか出てきた場合にどれに重きを置くか?で判断が変わる。 今回の件は「過去の指摘に重きを置いたため読者への配慮が欠けた」ということだろう。 よくない表現をすれば「また指摘されないように保身が働いた」ということだろう。
真価が問われる
今回のみたいに「地域外の男性が問い合わせてきた」という事例はないのかもしれないけど、 前例がない時こそ、本質をどこまで把握しているか?きちんと対応できるのか?という真価が問われるときだろう。
最近、「美容師がホットペッパーのお客さんの番号にLINEした」という記事を目にしたけど、 公開/非公開の情報が明確な出版社でもこういうことになるんだから、 こういう人たちは一定の割合で存在しているということを改めて認識しておくべきなのだろう。
個人情報漏洩
今回は同級生だし、知られても困ることないし、おおごとにする気もない(ので冊子名は書いていない)けど、 企業が個人情報を第三者に漏らしたということには変わりない。 そんな感覚は持っていないと思われるが。
郵送のために住所は送ったし、Facebookから辿れるし、同級生は俺のことを特定できるし、個人情報だろう。
何万人という情報ではないにしても、認識の甘さには驚かされた一件だった。